大阪フィル・ベートーベン交響曲第9番の夕べ@フェスティバルホール

今年はライブに出る方が多くて
あまりたくさんのコンサートを観に行けませんでしたが
(とはいえ日常そんなにライブに行く方ではないんだけど)
どれも印象的なものでした。
とりわけ今日は特別。
クラシックやってた人間のくせに、こういう王道的なものを
案外素通りしまくってます。
というわけで、人生初の第9鑑賞。
今年の夏はスクーリングの合唱の授業で第9を歌ったので
合唱のある第4楽章はそれなりに聴いてましたが
1〜3楽章はそんなに聴いたこともなかったので
直前にスコア観たり解説読んだり
音源を聴いたりして、ちょっと予習してから行きました。
だって、かなり長い曲ですもんね。
クラシック好きが読むと「何を今さら」って感じのことを書くと思いますが
ま、ホンマに率直に思った感想ですので、許してちょうだい〜。

ここ最近、自分の音楽活動のなかで
自分はどういう心構えで音楽やってくべきなのか、とか
なにを一番大事だと自分は思ってるんだろう、とか
そういうことを考える機会がいろいろあったので
その辺のことも思いながら聴いてたこともあってか
なんだかものすごくココロの感度が敏感になってたのかもしれません。
クラシックを聴いて初めて目に涙が浮かびました。
第3楽章の冒頭
そう、ちょうどベートーベンの悲愴ソナタの第2楽章のような
穏やかで美しいメロディを弦楽器が奏でるんですが
そこで、出てくる音すべてにこころが包み込まれるような感覚になって
メロディの中に吸い込まれそうになりました。
いや、べつに寝不足とか変なクスリ飲んだとかそんなんじゃないですよ(笑)。
一種のトリップ状態みたいになって
別になんの感情も持っていなかったのに
自然と目に涙が浮かんできたのです。ホンマに不思議な感覚やった。。
CDで音源聴いてもそんなことにならなかったのに、不思議です。
あの空気感がそうさせたんでしょうか。

手持ちのスコアにある解説によると
この曲は楽章ごとに精神的内容が含まれているそうでして
第1楽章→奮闘 第2楽章→狂乱 
第3楽章→愛と希望 第4楽章→歓喜
なんだそうです。
起承転結のある、ひとつのストーリーになってるってことでしょうか。
楽章ごとのつながりや作曲の経緯について書くと
さらに長くなりそうなのでここでは割愛しますが
この曲を聴いて自分が感じたのは
ベートーベンの人間くささ。というか
誤解を怖れずに書くと、
自分が普段好んで聴く
ミスチルや槇原敬之、ピロウズやバンプ、ベンフォールズと同じような臭い。
そういうものをベートーベンに感じました。
僕はクラシックについて好きではあるけどそんな詳しくないし
音楽学的な時代背景や解釈についても知識が少ないので
推測の域を出ない考えですが
きっとベートーベンも、生きるという意味についてものすごく考え苦悩し
さまざまな不条理や理不尽さのなかで
自分が信じるべき真理について
ずっとずっと考え続けていたんじゃないかなと思います。
帰りの電車でスコアの解説を読んでて気づいたのですが
第4楽章の構成には文学的な意味が織り込まれているそうで
恐怖を想起させるフレーズで始まるのですが
その後に、チェロコントラバスが
レチタティーボと呼ばれる自由な詠唱的フレーズの返答があるのですが
これは「否定」という意味合いがあるのだそうです。
つまり、恐怖を否定。
その後、第1楽章の第1主題が出てくるけど、その後の返答は
「否定」のフレーズ。
続けざま、第2楽章や第3楽章のフレーズが出てくるんだけど
それらもことごとく「否定」のフレーズで返答するわけです。
つまり、奮闘も狂乱的な歓楽も愛と希望すら否定するわけ。
一切の世間的なものを超越して、歓喜の世界へ進もう、という
文学的な解釈があるんだそうです。
音楽的な解釈だと、1〜3楽章の回想をしながら、
新たな主題を導いて行くという流れですから
今までのものをごっそり包み込みつつ
だんだん高いところへと上り詰めて行く、というイメージだったので
これはちょっと意外でした。でもなんかわかる気がする。
すべてを受け入れ、すべてを流れるままに身を任せて行く、という
Let it beみたいな世界なのかな。
西洋音楽って、キリスト教の文化と切っても切り離せない関係があるので
精神世界的なところではむしろ
ジョンレノンとも共通の言語があるんじゃないかな。。。

苦悩や狂乱、もがき、愛や希望すらを超越した歓喜を叫ぼう、という
ものすごく重たいテーマを
全楽章にわたって
非常にシンプルかつ親しみやすいモチーフを発展させて綴っていくという
この人の才能というか音楽的懐の深さは一体なんなのだろう、と
感激で身が震える思いでした。
そりゃあ教科書にも載るし、誰もが認める名曲だと言われる所以もわかる。


自分は、バッハもラベルもドビュッシーも好きだし
ベンフォールズもオアシスもビートルズも好きだし
ビルエヴァンスもオスカーピーターソンもキースジャレットも好き。
セルジオメンデスもカーペンターズもキャロルキングも好き。
カントリーやブルーグラスも好きだし
フォルクローレもケルトもフラメンコも和太鼓もお経も好き。
表現方法や流儀や成立過程の違いであって
baseにあるものは全部同じだと思っています。
自分が「いい」と感じる音楽の裏側には
いつも、作り手や弾き手の「こころ」が見え隠れします。
それは情緒であるとか
実現させたいものがあるという意志や意思であるとか。
今日の演奏会で、それが腑に落ちた感じがしました。

年の瀬に、いい締めくくり方ができたな、と
とても幸せにおもいます。
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by satton07 | 2008-12-30 02:13 | 観に行ったライブ


どもー。


by satton07

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