#009 槇原敬之「太陽」

b0024020_253679.jpg00年秋、前作の「Cicada」から1年半あまり。
復帰第一弾となったアルバムである。
「華やかさ」はないが、一曲一曲の重みが他のアルバムとは段違い。
静かだけど、力強い思いがじわじわと伝わってくるような一作かと。
前作までと違って、よりストレートで等身大な歌詞世界がひろがっている。
このアルバムには自分も特別思い入れがあるので、文章にもつい力が入るのね。


00年。
当時ぼくは人生最大級のバカな体験をした。
てゆーか、今思えば自分の一番弱い部分に
正面切って向かい合えなかっただけなんだが。
まあ、そんなことがあった後
幸運にもいまのシゴトが決まり、いろんな思いを持ちながら
今までのこととか、この先の生き方とか、
そんなことを考えている時期だった。


そんなこの年も終わりが近づいた11月末、このアルバムを聴いたのだ。
久しぶりのニューアルバム。
待ちわびた1年半。
CDのスイッチを入れて、はじめに流れてきたのが
1曲目の「彗星」という静かなバラード。



  そんな風に僕らが いくら抗っても
  仕方ないほど 時は流れ
  今日も誰かが星になって 誰かが生まれてくる

  だから僕はもう あまねく風に わざと背を向けたりしたくない
  君も同じことを しろとは言わないけど
  僕はそれを勧めよう



知らない間に
涙があふれてきた。
泣いた。
ホンマに泣いた。
CDを聴いて「いいなあ」とココロがほっこりすることはあったけど
泣いたのは初めてだった。

ウソと思われるかもしれないが
当時僕は、この歌詞のようなこととほぼ同じことを考えていた。
こいつアホか、と言われるかもしれないが
自分がこれから思いをめぐらせて進もうとしている方向は
決して間違ってないんだ、とこのとき確信した。

そのとき
これから自分の目の前にやってくるであろう
「なんだかやだなー、と思うこと」とか
逃げ出したくなるようなことがあったとしても
この歌のように「終わらない嵐はないんだ」とココロにささやいて
正面から向き合って乗り越えていこう、と決めた。

けれどその後も、やっぱり難しいことはいっぱいで
やっぱり自分を守るために
テキトーにごまかしたりすることだって、やっぱりある。
そのままやりすごしてしまいそうになるけど
でも、大切なのは
そんな自分がいるんだ、という気持ちをごまかさないことなのではないだろうか。
それはとてもしんどい。
そこからできたら逃れたい。
けれど
ごまかすから、本当のことがぼやけて見えにくくなるような気がするのだ。



ちょっと重く語りすぎたので、ちょっとした自分なりのアルバムの「ツボ」を。
4曲目の「濡れひよこ」は彼がリスペクトしているYMOを彷彿させる
テクノなナンバー。
この曲の途中では、かの名曲「どんなときも。」で有名な
フィルインのフレーズがサンプリングで再現されている。
(念のため日本語訳:サビ「♪どん なときも〜」に入る直前に
ティンパニの音で「デン・デン  デ・デン」と鳴るアレ)
この辺の芸の細かさが好きなんだよねえ。

また、槇原敬之の音楽の醍醐味のひとつに
「曲」と「曲」の間のストーリーや、つながり、がある。

有名なところでは
「Answer」と「EACH OTHER」であったり
「雷が鳴る前に」と「この傘をたためば」あたりか。

このあたりは別のアルバムを取り上げたときに詳しく書くとして
最後の曲の「Ordinary Days」は
この前のアルバムのラストナンバー「Cicada」を
かなり意識した歌詞になっている。

かなり等身大の自分をダイレクトに描いた
この2曲をきくとよくわかるけど
音楽とともに、この人も成長しているのだ。
そんな音楽だからこそ、ついつい共感して聴き入ってしまうのだ。
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by satton07 | 2004-10-20 23:59 | ウチのCD棚


どもー。


by satton07

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