カテゴリ:読んだ本( 15 )

たまには勉強を

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って、音楽の勉強なんやけど。。。
FBでも取り上げたんですが、この土曜に出かけた市で買った古本。
基本からけっこうな応用編まで、網羅的に載ってます。
一冊マスターしたら、たぶん、
音大ポップス科のコード理論の単位が取れそうな、そんな気がします(笑)。

いちおう、長いこと弾き語りとかアレンジをやってるので
読んでて、「あー、このコード進行使ったことある」みたいなのがゴロゴロ。
知らず知らずのうちに耳で馴染んで使ってきたコードワークを
きちんと体系的な理論で整理してくれてるので、とってもわかりやすいです。
いずれは自分も、即興演奏やコードワークなんかを教える機会を
持ちたいなあなんて思っていたので
ちょうどよい勉強の機会。がんばってみよっと。

自分にとってコードとは
組み合わせしだいでいろんな色彩を表現できる、いわば絵の具みたいなものでして
トニック、サブドミナント、ドミナントの
3種類のシンプルな色のみでももちろんいい音楽は作れるのですが
音楽をつうじて、いろんなこころの機微を表現したいなあと思うので
できるだけたくさんの色彩を身につけたいなあ、とおもうわけです。

ところで、自分がコードを身につけたのは中学生の頃だったのですが
いちばん最初にググッと来たコード進行は、
いわゆるⅣ−Ⅴ−Ⅲ−Ⅵのコードワーク。J-POPの定番とも言われるアレですね。
もっというと、Ⅳ−Ⅴ/Ⅳ−Ⅲ−Ⅵのコード進行。
キーがCなら「F-G/F-Em7-Am」みたいな、アレです。
ちょうど、プリプリの「M」のコードを追っていたとき
この進行をみつけて、なんかカッコいいかもーなんて思って
他の曲の耳コピをしてたら、同じようなコード進行をゴロゴロみつけて
あ、これを覚えたらめっちゃいろんな曲ができるんかも、って思ったのでした。
この発見は、かなり感動でしたね。

ちなみに自分の経験的な勘からいうコードワークの勉強のポイントは
トゥーファイブと、裏コードかな、と。。
このふたつを身につけたら、飛躍的にレパートリーが広がるかなー、と。
これにディミニッシュとテンションをおぼえたら
おそらくたいていのポップスには対応できるようになるとおもいますが、さてさて。


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by satton07 | 2014-04-27 23:20 | 読んだ本 | Comments(0)

癒しの時間

さいきん、家に帰って寝る前の時間の楽しみは、「きょうの猫村さん」。
ネット発信の一コママンガですが
これが妙に癒されるんすよね。
行きつけのヘアサロンに常置してあったんで
何冊か読んだことはあったんですが
ついに本屋で買ってしまった。。

なぜか家政婦をやることになったネコ。猫村ねこ。
思わず、が、がんばれ、と言いたくなってしまう憎めないキャラ。

仕事で疲れたアタマに最適な清涼剤!



きょうの猫村さん 1

ほし よりこ / マガジンハウス


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by satton07 | 2012-05-18 22:54 | たまには本でも | Comments(0)

までいの力

までいの力

SEEDS出版 / SEEDS出版




「までい」とは、東北地方の方言で
「ていねいに、じっくりと、心を込めて」という意味のことば。
人口6200人の小さな村が、自分たちなりのスローライフを求めて
行き着いたことばが、「までいライフ」。
役場と住民が一体となって、この地方で大切にされてきた「までい」の心を真ん中に
とてもおもしろいまちづくりをしていく様子がレポートされています。
平成7年に、この町の総合計画を書き換える際に
核となる内容として取り上げたんですが、
その内容というのが
より早く、より効率的を基盤とした経済の充実でもなく
自治体競争に勝ち抜くことでもなく
「クオリティライフ(暮らしの質の高さ)」つまり、
住まう人々の「心のありよう」を核に据えようとしたことなのでした。
ちいさな自治体のデメリットを、逆にメリットとして考えたんですね。

地味でもいいから、ひととのつながりをだいじにしながら
自分たちのやりたいことを、自分たちのペースで
じっくりていねいに過ごすことが、自分の理想とする生き方で
それを実現させるべく日々過ごしているのですが
まさに、そんな生き方、というか、そんな世界をつくっちゃったんですよね。

学校の給食は100%地元の野菜。
給食のまえには、作ってくれた人への感謝もこめて
誰がつくったのかを紹介する時間があるんだそうです。

少子化対策の最大の推進策は、男女が手を取りあって作り上げる社会作りだ、と
役場自らが、男性職員に育児休暇を義務づける、パパクオーター制度。
なかでもおもしろいのは
女性の産休と同時に男性も産休を取得でき、
「産休を通じての子どもや配偶者とのかかわりは公務にも活かされる」という考えで
職務上は研修期間と位置づけて、昇給昇格に響かないようにしたところ。
そのかわり、復職したらパパの子育て日誌を提出しなさい、というのもまたユニーク。
役場が率先して、男性の育休取得のハードルを下げるキャンペーンをしたわけですね。
おかげで、世間体的な意識も徐々に消えていったそうです。

本屋や図書館がほとんどなく、本とのふれあいが都会に較べて圧倒的に少ないことから
子どもにも本とのふれあいを、ということで
全国の、読まなくなった絵本を飯館へ送ってもらう「絵本リレー」事業を始めたら
全国から10日間で1万冊もの本が集まったり。

そのほかにも
老人ホームのエネルギー供給には
里山の間伐材を用いた、チップボイラーを導入したり
公用車は電気自動車、しかも、空いてるときは
クリーンエネルギー啓発も兼ねて住民に貸し出されていたり。
町の公募債で、スクールバスを購入したり。

やってることは一見ありふれてますけど
その根底にあるのは
ひとを大切にしよう、自然を大切にしよう、という
住民の「こころ」にあるんよね。
行政は、その「こころ」を100%引き出すためのしかけをこしらえて
つながりをつくることに徹しているところ。



すごい自治体があるもんです。



その自治体っていうのは、いまやご存知の方も多いに違いないでしょう。



福島県の飯舘村です。



この「までいライフ」の話を初めて聴いたのは、3年前のこと。
東京出張のときに、研修の講師で招かれてたのが
村長の菅野典雄さんでした。
いい部分はじゅうぶんに活かし、
変えないといけない部分は、対話と思い切りの良さで上手に変える。
変えたそのさきの変容が、明確にイメージされているよなあ、と
当時のメモに書いた記憶があります。

あと、企業経営的(効率/迅速化)発想を重んじる
自治体の長が目立つ昨今にしてはめずらしく、
ものすごく教育的な知見があるひとなんやなあ〜、とも思いましたね。
それでいて、ビジネスの視点も忘れてないなと。
それもそのはず、村長になられる以前、酪農を経て
公民館の館長も務めておられたそうです。
山村部の小さな農村で、ふるくからの慣習が根強く残るなかで
農家の嫁をヨーロッパ研修へ誘う「若妻の翼」事業を立ち上げた経験もあるとか。
そんな事業を通して、地域のひとを育てながら
ゆっくり、じっくりと、「までいライフ」を実現させるための
土壌を作られてきたのかな、と思います。
このようなスタイルを確立するまでに
菅野さんが村長になられる以前の取り組みも含めると
実に20年近くの時間を要しています。
まちを育てるのは、ひとを育てるのと同じくらいに
ものすごい労力と時間を要することがよくわかります。
その辺は、自分の仕事での経験からもなんとなく、イメージできるものがあります。


ていねいに、安全で、安心に。
そんな村民の積み重ねと暮らしを、いっしゅんで吹き飛ばしてしまったのが
村民にはまったく恩恵も関係もない、原子力発電所の事故なのかと思うと
読みながら、なんともいえない気持ちになります。
ただただ、村の復興を願うばかり。。。
そして、自分もいつか、訪ねてみたいなと思う土地。


新聞やテレビからは観えてこない部分がたくさんみえてきます。
これを大阪にそのままあてはめるのは無理な話だと思うけれど
教育的な知見を活かしたこのコンセプトは、自治体が大きかろうが小さかろうが
適用できる話だとおもいます。
あとは、そこに先立つものとのバランスをどう保つか、なのかなと(それが難しい)。
ちなみにこういうコンセプト、個人的にはかなり共感できますね。


この本の代金は、村の復興に充てられるそうです。
興味があるようでしたら、ぜひぜひ、購入されてみてはいかがでしょう。
ほんまにいい本やと思うんで。
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by satton07 | 2011-07-21 23:05 | たまには本でも | Comments(0)

内田樹「街場のメディア論」

街場のメディア論 (光文社新書)

内田 樹 / 光文社



大阪市の平松市長のtwitterで話題に上ってて、読んでみよって思い購入。
一気に読了。
かなり根源的で難しい話を
本をあまり読まない、理解力の遅いワシでもわかるようなことばで
明快かつかなり筋の通った論調で解説してくれています。
自分の目をつうじてみえるホントのところと
メディアが伝える(というか煽る)事実の切り取り方の
あまりの剥離のひどさと
伝える内容の薄っぺらさに、
ここ最近自分にしては珍しく憤りすら感じる今日この頃なのですが
それがうまく説明できないなあ〜、と思っていることを
かなりシンプルにわかりやすく書いてくれていて
思わず膝をたたくような内容だなとおもいます。

昔こそテレビッ子だったけれど
現在は、朝のニュースとDVD観る時くらいしかテレビを使わないワシ。
先日、久々に実家に帰っていわゆるバラエティ番組をみてびっくりしましたわい。
とくに、情報バラエティの内容の薄さつうか無責任さには、あっちゃーって感じ。
一人っ子はわがままで長男は優柔不断、みたいなことを
科学めいたことばでえんえん解説で番組終わり、みたいな〜。
より良く生きるためのポイントに〜、なんて締めくくるところなんて
もう笑うしかないっすよね。。
ニュースはニュースで政治のニュースすらワイドショーとなんら変わらへんし
とりあえずわかりやすい敵をつくってさんざん叩いて
1ヶ月後にはハイさようなら、みたいなのを繰り返すだけ。
あとはなーんにも知らなかったふりだもんね。
そんなこんなで、テレビつけてまでストレスを貯めたくないので
自然と、テレビはあまり観なくなりました。

ゴールデンタイムで長いことやってるような番組なのかな、、、
だとするとそこそこに視聴者はいるんでしょうし
そうなるとたぶん、自分みたいな人間の方が少数派なんだろーね。
これが世間のスタンダードなのかな、、と思うと
すごいよなあ、、、それ、とも思うんだけど。

そんな感じで、この本ではそういった事象をひとつひとつ丁寧に検証してるんだが
メディアの劣化は同時に
ジャーナリストの知性の劣化であり
受け手である、われわれの知性の不調でもあるという指摘が、なかなか耳に痛いが
的を得ているなあ、と思った。
つまりは、こうやって文句たらたら書いてるワシそのものの知性の不調でもあり。。。


メディアの疲弊の根幹にあるものとして
根本的なコミュニケーションスタイルの問題だ、という認識がとても共感できるな〜と。
あと、メディアについて触れる前段として、
現在の日本のキャリア教育についての考察が載ってるんだが
キャリアは他人のためのものであるという視点。
キャリア教育の目指す目標を
「与えられた条件の下で最高のパフォーマンスを発揮するように、
自分自身の潜在能力を選択的に開花させること」、と述べてはります。
天職や適性ありきで仕事を選ぶというその時点で
ボタンを掛け違えている、ということだーね。
なかなかおもしろいっすよね。
かくいう自分も、ボタンの掛け違いでずいぶん悩みました。
てか、最近までそういう考え方をどこかで捨てきれなかった。
若い頃って特にそういうふうに思うもんなんじゃなかろうか。。。
でも、とりあえず働いてみて、仕事のスタイルに自分を合わせたり
そこでの経験や出会いを通じて、
適性やスタイルってのは、磨かれていくものなんじゃないかなと
働いて10年近くたって、やっぱしそう感じます。
広い意味での幸せというものは、自分からがっつくものではなくて
外からやってくるものなんかなと最近は思います。
それに真摯に応えていくのみなのかと。
内田さんによると、結婚と就職と入れ歯はみんな同じなんだそうです。
なるほどね〜。
状況は人それぞれだし、すべてがそうかな、と思えるわけでもないが
書いてることの概ねは共感できる内容だな、とおもいました。


すぐに読み切れる本なので、けっこうおすすめ!
内田さんのブログもけっこうおもしろい。あわせておすすめ!
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by satton07 | 2010-09-01 00:56 | たまには本でも | Comments(0)

坂本龍一「音楽は自由にする」

音楽は自由にする

坂本龍一 / 新潮社

スコア:



教授関係のテレビ観たり音源聴いたりすることが多かったので
ちょっと読んでみたいな、と思いアマゾンで購入。
今日届いてたので、家に帰ってちょっと開けて読んでみたら
うっかりそのまま読破してしまいました。。
通勤電車でゆっくり読もうかと思ってたんだが、、、ま、いいか。

幼稚園のときに初めて作曲した曲のこと、
高1にして、芸大の先輩である池辺晋一郎に
「いま芸大を受験しても合格する」と太鼓判を押されたエピソード、
民族音楽に傾倒していた芸大生の頃のこと、
YMO結成前夜のこと、
妻であった矢野顕子のこと、
かなり、率直な話が綴られている。
才能にあふれた天才、ということ以前に
ものすごく好奇心の旺盛だった人物像が浮かんでくる。
そして、そのときそのときの流れにある意味身をまかせながら
けっこう、受け身なスタイルである感じ。


あんまし内容を書くと、読むときおもしろくないでしょうから
あんまし書かないことにしますが
映画「ラストエンペラー」の音楽を作曲したときのエピソードは
なかなかおもしろいですよ。
電話で突然頼まれ、しかも1週間で仕上げろ、とのオーダー。
そこを交渉して2週間で仕上げることになるんですが
その最中、そしてでき上がってからのビックリ仰天な展開は
ありゃりゃ〜、って感じ。
作曲家のしごとってすげえよなあ、とただただため息。
たぶん、作曲家にとってもっとも必要なものは
才能でも技術でもなく、体力なんじゃないでしょうかね(笑)。

当時DJを担当していたNHK-FMの「サウンドストリート」の
デモテープコーナーについても触れられていて
槇原敬之さんやらテイトウワさんのことも触れられてます。
ファンにとっては有名な話ですが
いかに教授が驚愕したかについて、本人の口から語られています。
その辺もなかなかおもしろい。

教授のアルバムをいろいろ聴いてたら、
ウラ話もいろいろ載っててさらに楽しめます。
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by satton07 | 2010-05-10 00:09 | たまには本でも | Comments(0)

小泉文夫「歌謡曲の構造」

歌謡曲の構造 (平凡社ライブラリー)

小泉 文夫 / 平凡社



シルバーウィークのおかげで、ゆっくり本が読めました(笑)。
書かれたのが70年代から80年代前半にかけてなので
現在の歌謡曲(J-POP)シーンとは若干異なったり
あれれ?と思う部分もあるけれど
現在に至る日本のポピュラー音楽の形成史を考えるにあたって
もんのすごい参考になる本だとおもいます。

てゆか、最近70年代の歌謡曲に思い切りハマってしまいまして
レンタルCDへ行くたびに、このあたりの有名な曲が詰まったオムニバス盤を
借りまくっております。
なかでも「京都慕情」と「かもめが翔んだ日」は昔からすきな曲です。
アレンジの展開と歌詞が、かなり自分好みであります。
この頃の楽曲は、今よりももっとジャンルが混沌としていて
何でもありなサウンドが逆に新鮮です。
70年代、80年代、90年代と年代を追っていくごとに、使われる楽器が変わってきたり
80年代以降、欧米のポップスやR&Bの要素が徐々に浸透していく様が
並べて聴いてるとけっこうよくわかります。
スネアドラムとギターの音の流行の変わりようは、特に興味深いです。
昔の歌謡曲ほど、比較的大編成のバックバンドで
ストリングスのアレンジがかなりハデに使われてますね。
この辺は、きっと、音楽ビジネスのありかたの変遷なんかと密接に関わってるんでしょうね。

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by satton07 | 2009-09-27 13:59 | たまには本でも | Comments(0)

小泉文夫「日本の音―世界のなかの日本音楽 」

日本の音―世界のなかの日本音楽 (平凡社ライブラリー)

小泉 文夫 / 平凡社



この前、日本音楽史のスクーリングを受けたり
試験の専門教養で日本音楽とか民族音楽の理論をかじってたこともあって
ちゃんとその筋の本を読んでみようかな、てゆーか興味があって
読んでみることにしました。
めちゃめちゃおもろいです。
思わず、小泉氏の著作3冊ほど読んでしまいました。
順に紹介するとして、今回はこれ。

日本音楽といえば、能や雅楽、三味線音楽に箏曲から
民謡までさまざまな形態があるのですが
それは日本固有の伝統的音楽ではなくて
世界の民族音楽の大きな流れの中で育ってきた音楽である、というのが
かなり大まかな概要なんですが
ものすごく説得力がある理論です。
日本音楽の基本的なことを知りたい、という人には
かなりおすすめな本です。
読む前に簡単な楽典と
ごくごく簡単な、民族音楽の種類や名前について知っていると
さらにわかりやすいかも。
自分の場合は、専門教養の勉強で
民族音楽についての用語をいくつかチェックしていたので
ああ、この言葉はそういう意味なのね、とか
言葉と言葉のつながりが見えてきたので
そういう意味でも、読んでておもしろかったです。

最近は学校教育でも
日本の伝統音楽を教材としても取り上げられているけど
正直なところ、お琴や三味線の授業を通じて
これが日本の音楽だぜ
他の国にはない独自の文化なんだぜ
自分たちが作ってきた自分たちのものなんだぜ、的な
お上の意図を感じ得ないというか
そういう部分に違和感を感じてもおりました。
その辺の違和感の正体を
きちんと理論立てて説明してくれた感じです。

日本音楽の代表例として、雅楽がよくとりあげられますが
あれは厳密には、日本のオリジナルの音楽ではなくて
中国や朝鮮から伝わってきた音楽であり
当時の日本においても
ごく限られた階級の人間の、限られた目的のために使われた音楽であって
それをとって、日本人の心を表すとは
到底言い切れるようなもんではないということです。
「日本の中にあって日本の性格、日本人的要素をもちながら
なおかつ、それが超民族的に人類一般の音楽の美しさに
広がって行く可能性を持った音楽」という意味で、
日本の代表的な音楽である、と述べられています。

日本音楽のなかにあるさまざまな形態は
それぞれが関係し合って発達してきたものであると同時に
たとえば三味線音楽でも楽器の形や歌い方、演奏のしかたの微妙な違いで
多くの流派が生まれたように
それらはなにかひとつのカテゴリーに収斂されていくものではなくて
むしろ、その時々にもっともふさわしい形で
ふさわしい表現技法、という考え方で広がって行ったようですね。
その音楽を誰が、どういう階層の人たちが担ってきたのか、によって
大きくその特徴が異なっており
そこには、日本が辿ってきた、
歴史的な社会構造が色濃く反映されていているのが、大変興味深いです。


西洋音楽のように、合理的で体系的な理論体系で
いわゆる形式的な部分の美に重きを置く特質とは
そもそも異なっていて
日本音楽も含めた、東洋の音楽は
普遍的で形式的な理論体系よりもむしろ
たとえば音階においても微妙な音のズレや、音の間、
西洋音楽では重視されないような、はっきりとした音程のないような音など
おそらく、人間が本来持っているリズムや感覚に近いものを
重視した音楽の体系になっているのかな、とおもいます。

あと、楽器の歴史をたどるのも、なかなか興味深いです。
有名なところだと、琵琶なんかがそうですが
日本の琵琶は、中国から伝わってきたものだけど
その楽器は、もともとインドから伝わってきたものだそう。
で、その楽器の歴史をたどると、
イランのウードという楽器に行き着くそうです。
このウードが、ヨーロッパに伝わり
リュートやギターとして進化していったそうですが
元をただすと、同じところへ繋がって行くのですね。
同じ起源の楽器でも
西へ伝わると、合理的な和声と旋法をベースとした楽曲に使われ、
東へ伝わると、仏教の語りものの音楽の伴奏として使われたり、と
文化の違いで、こうも異なってくるというのが
とても面白いと思います。

世界の民族音楽のなかのひとつ、として
日本音楽を捉えて、その普遍性や特殊性を語るスタンスがかなり好印象。

ちなみに著者の小泉文夫は、民族音楽学者。
インドに留学、インド音楽についての研究をした後
東京芸大で教鞭をとりながら
さまざまな民族音楽を収集、研究、紹介したそう。
かの坂本龍一も、芸大の作曲科の学生の頃
当時楽理科のために開講していた、小泉氏の講義に通って
多大な影響を受けたそうです。
そうか~、なるほどな~、
それで、ああいうスタイルの音楽なのかな、とおもいます。
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by satton07 | 2009-09-20 12:33 | たまには本でも | Comments(0)

野中広務/辛淑玉「差別と日本人」

差別と日本人 (角川oneテーマ21 A 100)

辛 淑玉 / 角川グループパブリッシング



たまにはマジメな本も読むのよ(笑)
読みやすかったので、一気に読破。
政治について、あまりきちんと理解してないところに、
かなり恥ずかしさを感じるアラサー男であるが
利権誘導で、かなりダーク感あり
今となっては沈みゆく泥船の
あの党にも、こんな政治家がおったんやなあ、と、ちょっとびっくりした。
この人について、この本と若干の情報を通じて、しかわからないことだけど
少なくともこの本を読んでみて
この人、根性座った、信念を貫き通した政治家だったんだなとおもう。
アタマで考えこねくりまわされたものではなくて
自分自身の生い立ちの中で体験し、感じたことを
愚直なまでに貫いてきたんじゃないだろうか。

アジア外交のことや、戦後処理の問題なんかについての言及も
けっこう共感できる内容だった。
この辺については、他の考え方についての本も読んでみた方がいいのかな、とも思うが
さまざまな外交問題を抱えているとはいえ
少なくとも、周辺のアジア諸国に対して
日本が尽くすべき誠意は大いにあるとおもいます。

うーん、てゆうか
考え方云々もさることながら
この人の政治姿勢に、おー、すごい、と思わされました。
政治に関わる動機が、地元の利権誘導や、自らの名誉ではなく
自らの体験に基づいた、差別をなくしたい、という思い。
とことん足を運んで、相手にとって耳の痛い言葉もあえて指摘しながら
ケンカもしながら、理解しようとする姿勢を崩さず
社会的な弱者に対しても、同情ではなく共感しながら政治を操る、という
そこまで根性の座った政治家、おるんかな、今。

政治の世界では、さまざまな勢力やしがらみがあるなかで
100%納得できなくとも、
一番適切な妥協点を見つけざるを得ないことだってあるだろうし
それはもう長い時間のなかでの小さな一歩であって
むしろそれがほとんどじゃないのかな、とも思うけど
その結果について心情的に理解できるための重要な要素は
やはり、そこに粉骨砕身する、政治家自身の思いじゃないかな、とおもうわけで。
どんな仕事でも同じだとおもうのですが。
市役所の窓口で、どうにもならないことを「どうにもなりません」とばっさり切られるのか
相手の気持ちを受け止めてとにかく自分にできそうなことをいろいろ調べて
それでもって「どうにもなりません」って伝えるのか
その辺の違いだとも。
そこまで誠意を尽くしてくれる政治家も、おるんかな、今。

ひょっとしたら、知らないだけなんかもしれないけど
少なくとも自分らは
場当たり的で、一瞬だけキモチいいおクスリみたいな約束だけじゃなくて
そういうところを、きちんと見ていくべきなのかなとおもいます。
見わたしてもなかなかおりませんが。

話がずいぶん逸れましたが
日本の社会に根付いている差別の構造について、
なかなか興味深い言葉で語られています。
長きにわたる政権与党におった政治家の考え、という点で、ものすごく、興味深いです。
利権が代名詞のように言われてる政党で
利権こそが差別構造の根底にあると主張し、粉骨砕身したそうだが
こういう人間もおったのか、という
当時の自民党が持っていた、ある意味での懐の深さに
ちょっと意外な印象。

仕事柄、こういうテーマには強く関心があるんだが
久しぶりに大ヒット。
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by satton07 | 2009-08-28 00:42 | たまには本でも | Comments(2)

田口ランディ「できればムカつかずに生きたい」

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ちょっと前に読んだ本なので記憶がとぎれがち。。。
けど、なかなか印象深い本だった。

彼女のエッセイ集。
ものすごく評価が分かれているようだが
自分は、共感できたり納得できる部分が多かった。
壮絶な家庭で育った思春期の「わからなさ」をひとつひとつ紐解き
自分なりの答えを見いだそうとする過程が綴られている。

リクオのサイトで、彼が絶賛していた一冊。
そのレビューの中で
「『思春期』の宿題を残したままの人はぜひ」と書かれた一文が気になり
読んでみることにした。
自分なんて宿題残しまくりですよ。
あのときやるべきことを先延ばしにしたこともいっぱい。
あのときに解決しきれなかった「わからない」こともたくさん。
ちょっとづつ、自分の中で「わかる」ようになってきたことも
「わからない」ことも
「わかった気」になってることも
「わかりかけている」ことも含めて
ああ、やっぱりそれでいいのかな、という確認や、新たな発見があった。

***

「こだわりを捨てる」とか「欲を捨てる」とか言うけど、それは
「こだわらない」「欲を持たない」ということでは決してなく
「一度こだわって、すぐ捨てる」
「一度欲しがって、でもその思いからすぐ離れる」ということだったのだ。
自分にセンタリングして生きている人たちは、確かに物事や他人にこだわらない。
こだわらないけど、人間的で泣いたり笑ったり、怒ったり悲しんだりしながら
だけどすぐごろんと自分に立ち返ってニコニコしている。


やって来るものを受け止めながら手放していけばいいんだよ。
どんなものでも自分にやって来るものはプレゼントだ。
受け止めて手放せばいい。そうしていくと、受け止めた衝撃で流れが起こって
自然にあるべき方向へ流れていく。
自分でありながら、でも、流されろ。
自分の外から来るものは、全部、プレゼントだ。


憎しみは人を壊すけど、悲しみは人を壊さない。
世界の悲惨さを自分の内に求めることをやめた。
ただ、透明に悲しむ。
悲しみを胸に抱いたまま、すうっと時を通過できるようになった。
悲しみは私を壊さない。悲しみは憎しみを祈りに変える。


***

これだけじゃなんのことだ、って感じだが
この言葉にひっかかるものを感じたのならば
きっと一読の価値はあるんじゃないだろうか、と思う。

まさにlet it be。
自分の中心さえ、きちんと設定しておけば
どんな悲しみも怒りも理不尽さも
回避するんじゃなくて
どんどん受け止めて、そして手放していけばよいのです。
その「中心」がなんなのかっつうのは
実際に読んでみて確かめてください。気になるならば。
アマゾンで1円で買えるし(1円に笑う者は、1円に泣く)。
改めて読み返してみてなるほどね、ってぼくは思った。
けど、まだ100%でもないかな。
アタマで理解した、という感じ。
ココロで感じ取った、というにはもう少し時間がかかりそうだ。


かなり過激な吐露もあって
「筆者のマスターベーションだ」などと酷評する人もいるけど
この文章は文章でありなんじゃないのかな、って思った。

10代のころに
精神的な挫折をしていたり
自分を壊しにかかった(あるいは壊された)体験をしていたり
内省する自分を決して誰にも見せることのなかった人とか
そんな気持ちをなんとなく心に残したままおとなになった人には
かなりおすすめかもー。
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by satton07 | 2007-09-01 01:32 | たまには本でも | Comments(0)

吉田戦車「伝染るんです。」

b0024020_1111236.jpg吉田戦車「伝染るんです。」(1)〜(5)
小学館 ¥980








突き詰めて考え出すと止まらないタイプなので
マンガは自分にとって、よい精神弛緩剤だ。
いや、シリアス系なマンガも好きなんだが
どっちかっつうと、バカバカしいマンガが好きだ。
感覚的に笑えるものか、教養的に笑えるものかのどっちか。
高校生の頃に出会ったマンガ。
当時はジャンプよりマガジンより、スピリッツ派。
「YAWARA!」「いいひと。」「りびんぐゲーム」に
「バケツdeごはん」「コージ苑」「じみへん」などなど。
懐かしいぃぃぃ。

そんないろんなマンガのなかでも
その後の自分の趣味を決定づけたのがこのマンガかな。
これぞ自分が求めていた笑いの形だ、とか思っていたっけか。
あえて思い上がった言い方をすれば
IQの高い妄想の世界。
深すぎるがゆえの軽さ。
ある意味、なにも考えることなく楽しめるので好きだ。
ほっといても、考えることが多すぎる日常だからこそ
感覚で笑うことのできるマンガは自分にとって貴重だ。

「ムダなもの」や「どうでもいいもの」に惹かれるこの性格は
この辺にルーツがあるのかもしれない。
日常に潜むどうでもいいエピソードに焦点を当てた絶妙なセンス。
異なった日常を組み合わせることで生まれる笑い。
ちょうど、首相の顔にヌード写真を貼り付けたような
コラージュのような感じとでもいおうか。
これをきっかけに、吉田戦車の世界に填ることになる。
暴走する妄想っぷりは、その後の「ぷりぷり県」で炸裂することになる。
伝染るんです。といえば、かわうそ君や斎藤さんが名物キャラだが
自分のツボは山崎先生ですね。
どこかピントのずれた生徒思いなキャラが最高です。
得体の知れない生物なのに
さもそれが当たり前かのように描かれているあたり
吉田戦車の奇才っぷりがよく表れているなあと思う。

このマンガで笑えたら
ぼくとはきっと相当仲良くなれると思います(笑)。
ちなみに、吉田戦車さんは
ほぼ日で「
エハイク」という連載をやっております。
これがなかなか。
するどい日常の観察眼が炸裂してますので。
よかったらぜひ、こちらも。

ちなみに
さくらももこの「神のちからっ子新聞」やら
岡田あーみんの「お父さんは心配症」なんかも
バカバカしくて、かつ妄想も炸裂していて好き。
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by satton07 | 2007-08-10 01:11 | たまには本でも | Comments(0)


どもー。


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